REALTOKYO CINEMA

リアルトウキョウシネマです。映画に関するインタビュー、レポート、作品レビュー等をお届けします。

2021

TIFF Review:『四つの壁』(第34回東京国際映画祭 コンペティション部門)

想像力を刺激される夢の世界へ 文・福嶋真砂代 (C)MAD DOGS & SEAGULLS LIMITED 第34回TIFF最優秀男優賞を受賞(アミル・アガエイ、ファティヒ・アル、 バルシュ・ユルドゥズ、オヌル・ブルドゥの主演4名 )した『四つの壁』は、バフマン・ゴバディ監督がト…

TIFF Review:『市民』(第34回東京国際映画祭 コンペティション部門)

Copyright 2021 Menuetto/ One For The Road/ Les Films 文・福嶋真砂代 第34回TIFF審査委員特別賞を受賞した『市民』(ベルギー・ルーマニア・メキシコ)は、ルーマニア出身の新人監督テオドラ・アナ・ミハイが全編北メキシコで撮影をした作品。ダルデンヌ…

Review 60『街は誰のもの?』

ブラジルのストリートで「街」について考える 文・福嶋真砂代 (c)KOTA ABE ブラジルのグラフィティに興味を抱いた阿部航太監督(撮影・編集)のデビュー作が公開中だ。単身ブラジルに渡って6ヶ月間(2018-19)滞在し、「街は誰のもの?」というテーマについ…

TIFF Review:『ヴェラは海の夢を見る』(第34回東京国際映画祭 コンペティション部門)

©Copyright 2020 PUNTORIA KREATIVE ISSTRA | ISSTRA 新たな航海に船出した東京国際映画祭 文・福嶋真砂代 第34回東京国際映画祭は、メイン会場を六本木から日比谷・有楽町・銀座エリアへと移転し、プログラミング・ディレクターを交代、部門構成も改変され…

Info 『ボストン市庁舎』[ワイズマン監督 x 想田和弘監督対談]「キネマ旬報」掲載のお知らせ

ボストン市庁舎の内部に入り込み、「市民のためにはたらく市政」とマーティン・ウォルシュ市長(当時)にカメラを向けた『ボストン市庁舎』が公開となるフレデリック・ワイズマン監督、そしてワイズマン作品から多大な影響を受けたと語る想田和弘監督の対談…

Review 59『リスペクト』

ソウルの女王、アレサ・フランクリンを描く音楽ドラマ 文・フジカワPAPA-Q (C)2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved. 米国の「ローリング・ストーン」が9月に発表した「歴代最高の500曲」というランキングで第1位に輝いた曲は、ソウ…

Interview 015 吉開菜央さん(『Shari』監督・出演)

あわよくば、私の吠える声がオホーツク海に届いてほしいと思った 取材・文:福嶋真砂代 ©2020 吉開菜央 photo by Naoki Ishikawa 知床・斜里で撮影した初長編監督映画『Shari』が公開となる吉開菜央さんにインタビューした。ダンサー、振付家、映画監督と幅…

Review 58『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

忘れられた50年前のNYハーレムのフェスが今甦る 文・フジカワPAPA-Q © 2021 20th Century Studios. All rights reserved. これは驚きだ!何と、50年以上も前に撮影されていた幻の音楽フェスの映像が遂に甦ったのだから。1969年の暑い夏、ウッドストック・フ…

Review 57『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』 

オリヴィエ・アサイヤスにしか撮れない「侯孝賢」の素顔 文・福嶋真砂代 (C) TRIGRAM FILMS, All rights reserved フランスの映画監督オリヴィエ・アサイヤスが台湾の名匠監督ホウ・シャオシェン(侯孝賢)に密着し、ホウ監督の映画制作への原動力とホウ・シ…

Review 56『大地と白い雲』

もうひとつの「地平線」を探して 文・福嶋真砂代 ©️2019 Authrule(Shanghai)Digital Media Co.,Ltd,Youth Film Studio ALL Rights Reserved. 公開中の映画『大地と白い雲』の始まりがおもしろい。妻のサロールがバイクに乗り夫を探す。口々に「チョクト」が…

Review 55『83歳のやさしいスパイ』(レビュー&TIFF公式 監督インタビュー)

意表をつく“スパイ映画”に心ほっこり 文・福嶋真砂代 (C)2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved ドキュメンタリー映画で国際的評価の高いチリのマイテ・アルベルティが監督・脚本を手掛けた『83歳のやさしいスパイ』(第33回東京国際映画祭ワールド・フォ…

Review 54『アメイジング・グレイス /アレサ・フランクリン』

ソウルの女王が歌う1972年のゴスペル・ライヴ 文・フジカワPAPA-Q 2018(C)Amazing Grace Movie LLC ソウルの女王、アレサ・フランクリンは、1942年3月25日にメンフィスで生まれ、2018年8月16日にデトロイトで76歳で亡くなった。1960年代後半から、世俗音楽の…

Review 53『逃げた女』

なぜホン・サンスはクセになるのか? 文・福嶋真砂代 (C)2019 Jeonwonsa FilmCo. All Rights Reserved 「ホン・サンスはクセになる」といわれる。なぜだろう。そこには熱狂というような激しい感覚より、ジワジワくる低温性の熱を帯びる感触がある。そんなホ…

Review 52『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』

こころ震える、香港を愛するデニスのうた 文・福嶋真砂代 ©Aquarian Works, LLC 第21回東京フィルメックス(特別招待作品)にてジャパンプレミアされたドキュメンタリー『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』が劇場公開になる。香港「雨傘運動」に参加し…

Review 51『茜色に焼かれる』

自転車をこぐ良子の背中に自分を重ねていた 文・福嶋真砂代 ©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ 「まあがんばりましょう」そう言うことで「大丈夫よ」を演じているような主人公の田中良子(尾野真千子)は、中学生の一人息子純平(和田庵)を育て…

Review 50『ブックセラーズ』

本のラビリンスへ迷い込む悦楽の時間 文・福嶋真砂代 (C)Copyright 2019 Blackletter Films LLC All Rights Reserved ニューヨーク(NY)最大のブックフェアを入り口に、稀少本(レアブック)のラビリンスへいざなうドキュメンタリー映画『ブックセラーズ』…

Info 『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』作品評掲載のお知らせ

(C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト(VIPO、カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド) 池田暁監督の『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』は昨日(3/26)公開。鼎談「前原滉×きたろう×池田暁監督」と共に拙作品評「未来の選択…

Review 49『春江水暖~しゅんこうすいだん』

古今が溶けあう、壮大な人生の絵巻物のはじまりはじまり 文・福嶋真砂代 ©2019 Factory Gate Films All Rights Reserved ■春江の魚のスズキと、市井の人々 話題の『春江水暖~しゅんこうすいだん』がいよいよ日本公開に。中国の新鋭、グー・シャオガン監督の…

Review 48『羊飼いと風船』

チベットの大草原に読み解く、過去、現在、未来 文:福嶋真砂代 (C)2019 Factory Gate Films. All Rights Reserved. 『気球』というタイトルで第20回東京フィルメックス(最優秀作品賞受賞)にて発表された本作は新しく『羊飼いと風船』とタイトルを変えて、…

Review 47『あのこは貴族』

さても聡明な女性は潔く、かっこいい 文・福嶋真砂代 ©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会 2021年2月劇場公開予定の『あのこは貴族』(第33回東京国際映画祭にて特別招待作品ワールドプレミア上映)。山内マリコの同名小説が岨手由貴子監督・脚…