RealTokyoに『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』レビューを寄稿しました。
「町が、世界が、ここに凝縮されて呼吸する」
フレデリック・ワイズマン監督が撮るニューヨーク、クィーンズのジャクソンハイツ地区。167もの言語が話される移民の町だ。グロッサリーストアにはカラフルな食材が並び、様々な国の音楽があふれ、様々な宗教の礼拝がある。カメラが向けられるのは、様々な場所の様々な活動。LGBTの悩みを分かち合う会、クイーンズプライド、グリーンカード取得支援、優雅なマダムたちの井戸端会議。議員事務所の女性スタッフの電話応対があるかと思えば、再開発に対抗する市民活動もある。行政や政治活動にも目を配る。町の呼吸の音が聴こえてくる。「この地域は、19世紀の終わりのニューヨーク市ローワーイーストサイドを連想させる“真のアメリカ”というべき『人種のるつぼ』なんだ」とジャクソンハイツを撮るモチベーションをワイズマンが明かしている。ここに世界が凝縮され、この多様性にこそ、アメリカの生命力の源があると感じる。
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