今回は純三木系100%濃縮です
三木聡監督・脚本の『コンビニエンス・ストーリー」についてのコラムを「キネマ旬報8月下旬号」に寄稿しました。
死後、というか死の瞬間、人の魂はどうなるのだろう。たまたま筆者の実姉が他界したばかり、そんな生々しい感覚でこの作品に出逢ったというなんとも奇遇なタイミング。映画評論家マーク・シリングの原案をもとに、三木聡が「らしさ」を全開にして「純文学系」ならぬ“純三木系”に仕上げた最新作。摩訶不思議だけれど、現実の生々しい質感もたまらない。それにしても、ほんとに人間は、ひょいとこの世の境界を飛び越えて異世界にワープしていくのだろうか......。そういう意味で人類の永遠の謎に真正面から切り込むホラー意欲作、ともいえそう。主人公の売れない脚本家、加藤(成田凌)が体験したのはいったい何⁉ ほんの一瞬の「刹那」、つまり「咄嗟」の出来事を、意識がふっと浮遊して「永遠」とも思える世界に入り込む。本当に”永遠”だとしたら、それはそれでゾクッどころでない恐怖なのだが.......どうなの?
暑い夏、コラムをご一読のうえ、ぜひ映画館でゾクゾクしてください。
Information:
監督・脚本:三木聡
企画:マーク・シリング
出演:成田凌、前田敦子、六角精児、片山友希、岩松了、渋川清彦、ふせえり、松浦祐也、BIGZAM、藤間爽子、小田ゆりえ、影山徹、シャラ ラジマ
配給:東映ビデオ