エリック・クラプトンを描く音楽ドキュメンタリー
夏にレコード屋でたまたま見つけたのがエリック・クラプトンのアルバム『LIFE IN 12 BARS』。映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』のサントラ盤だった。彼の音楽人生の前半の代表曲、名曲が収録されたベスト盤ともいえるもの。最初期のヤードバーズ、ジョン・メイオールのバンドを経て、クリームを結成してアメリカを席巻、その後ブラインド・フェイス、デレク&ザ・ドミノスでの活躍後、ソロ名義で活動を始め、他のアーティストへの客演も多数という軌跡だ。
そして、映画はクラプトンについての音楽ドキュメンタリーで、複雑な幼少期、ラジオでブルースを聞いてギターを手にし、ミュージシャンとして名声を得るもドラッグ、アルコール等の依存症に陥り、不幸な事故に見舞われるが、音楽に救われて復活するという半生を描く。監督は、クラプトンの長年の友人で、劇映画の製作演出のリリ・フィニー・ザナックで、これが初のドキュメンタリー作品となる。
クラプトン自身の語り、様々なアーカイブ映像で数奇な人生を深くさらけ出していて圧倒される。B.B.キング、ジョージ・ハリスン、ジミ・ヘンドリックス、パティ・ボイド、ザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン等々が登場する場面も興味深い。ひねくれ者でろくでなし、と自分で言うギタリストの存在感、そして、たっぷり流れる音楽を楽める。なお、本作は、2019年2月に発表されるグラミー賞のベスト・ミュージック・フィルム部門にノミネートされている。
フジカワPAPA-Q ★★★★.5
Information:
監督:リリ・フィニー・ザナック(『ドライビングMISSデイジー』製作) 製作:ジョン・バトセック(『シュガーマン 奇跡に愛された男』『We Are X』)
編集:クリス・キング(『AMY エイミー』) 音楽:グスターボ・サンタオラヤ(『ブロークバック・マウンテン』)
出演:ミュージシャン:エリック・クラプトン、B.B.キング、ジョージ・ハリスン、パティ・ボイド、ジミ・ヘンドリックス、ロジャー・ウォーターズ、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ビートルズ etc.
2017年/イギリス/英語/ビスタ/135分/原題:ERIC CLAPTON : LIFE IN 12 BARS/日本語字幕:佐藤恵子
配給:ポニーキャニオン/STAR CHANNEL MOVIES,、提供:東北新社 映倫(PG12)
11月23日(金・祝)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
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